OB 伊藤 拓巳 選手 J3リーグ カターレ富山 加入内定のお知らせ
ジュニア年代から試合に勝つことや強いと言われるチームに在籍すること、大人のミニチア版のようなサッカーを志向することが幸せというわけでもないと思っています。
低年齢層から試合に勝つことで生まれる優越感による子どもの勘違いと親の期待。
自分の身体とボールを自分の想ったように操れない年代の子どもに、受け方や立ち位置、仲間との連動性等を低年齢層から教え過ぎてしまうと、年代、レベルが上がったときに相手も受け方、立ち位置、仲間との連動性等の手の内を理解した選手と対峙するわけで、そうなったときに時間とスペースがなくなり、そういう相手に追い込まれたときにボールを手放すしかなくなり、無理やりシュートを打つか、クロスをあげるか、勢い任せで五分五分の勝負を挑まなくてはならなくなる。
我々のクラブは、試合の勝ちに遠回りになることも承知で、ジュニア、ジュニアユースこそ、まずは自分で行く(ボールを運ぶ)、自分から主役になりにいく、対人でのスキル発揮能力の巧さや閃き力を伸ばしてやりながら、プレーに柔軟性を持たせ選択肢の沢山ある中でプレーのジャッチを選手自身で出来るようになるための成功体験、失敗体験を沢山積ませてやるべき年代だと捉え、自分の身体とボールを自由自在に操るためのベース作りにじっくりと時間をかけていきながらも三歩進んで二歩下がる位の余裕を大人が持つということが大切だと考えています。
子どもの長い人生の中で、小学生、中学生までは生まれ持った能力差が非常に大きいと感じます。
親の思うようにいかなくなってからの年代にその子自身の本当の実力が問われるのではないか。
じっくりと経験を積んでおくべき年代に、コーチやチームの言いなりで満足していては駄目だということ。
舞台が大きくなればなるほど、ベンチからの指示はスタンドからの声援等で聞こえなくなる。
選手自身が指示を待っていたり、コーチ、監督は指示をして選手たちを掌握しすぎているようではジュニア・ジュニアユース年代では通用しても、年代、レベルが上がれば上がる程、厳しくなる。
我々、クオーレ千葉は選手個々に武器を持たせるためにチャレンジしやすい雰囲気作りを心掛け、誰が仲間でも誰が相手でも対応できる力、伸びしろというお土産を持たせて次なる年代に送り出してやらなきゃいけない。